紙図面を実際にデータ化するときの流れと、押さえておきたいポイントを詳しく解説します。大判サイズや観音製本など、扱いが難しい図面でもスムーズに作業を進めるためのヒントを紹介します。
まずは、手元にある図面の量・サイズ・状態を確認します。
これらを整理することで、スキャナーやスキャン方法が見えてきます。
大判サイズ対応のスキャナーを用意すれば、自前で作業できます。A0クラスの大判シートスルー型スキャナーやオーバーヘッド型などがあり、それぞれ導入コストや設置スペースが必要になります。大量にある図面を一度にスキャンするなら、レンタルやリースで対応する方法もあります。
ただし、自社でのスキャンは折り目の伸ばしや設定調整など作業が煩雑になりがちです。慣れていないと作業に時間がかかるため、費用対効果を検討する必要があります。
大判図面のスキャンを請け負う業者に任せると、面倒な作業を一括処理してもらえる利点があります。観音製本や古い図面などを解体せずスキャンできる設備を持っている場合も多く、品質やスピード、セキュリティ対策も期待できます。ただし、依頼の際には秘密保持契約や、見積もり内容(枚数単価、解像度、納期など)をしっかり確認する必要があります。
図面が折れていたりシワが多い場合は、できるだけ平らに整える必要があります。折り目が深いとスキャン画像に影響が出やすいので、アイロンやプレスを使ってシワを伸ばすケースもあります。汚れやホコリがついている図面はスキャン時に汚れが写り込むので、軽く拭くかブロワーで取り除きます。
製本されている図面を解体するかどうかは、保存や製本の状況次第です。糊付け製本の場合は断裁が必要かもしれませんが、ビス留めやクリップ留めなら外すだけでバラせる場合もあります。解体が難しいときは、オーバーヘッド型スキャナーや業者の非破壊スキャンを検討しましょう。
線や文字をくっきり読み取りたい場合は、300~600dpi程度が目安です。解像度を上げるほど精細になりますが、データサイズも大きくなります。目的に応じて設定しましょう。
カラーの図面はフルカラーでスキャンすると容量が大きくなります。白黒2値スキャンなら容量は小さく抑えられますが、図面上の微妙な濃淡が再現されにくいことがあります。青焼き図面などはグレースケールで取り込むと文字や線が見やすくなる場合があります。
スキャン後に保存するファイル形式はPDFかTIFFが主流です。さらに編集を想定するなら、CADや画像ソフトで扱いやすい拡張子(DWF、DFNなど)に変換する手段もあります。
ファイル名は、物件名や年度、図面種別などを含めてルール化すると、後で検索・管理がしやすくなります。大量にある場合は、一括リネームソフトなどを使って一気に整理する方法もあります。
スキャンが終わったら、仕上がりをチェックします。線が途切れていないか、文字が潰れていないか、画像が傾いていないかなどを確認し、問題があれば再スキャンします。
最終的に問題がないことを確認したら、必ずバックアップを取りましょう。社内サーバーやクラウドに二重三重で保存すると、トラブル時でも復旧が容易になります。
スマートフォンやタブレットのカメラで図面全体を撮影し、アプリで補正する方法です。
手軽さはありますが、A1サイズという大きさと、CAD化に求められる高精度を両立させるのは困難です。広範囲の歪みや、細かい線、文字のブレが発生する場合があるため、正確なCADデータ作成の下絵としては不向きです。緊急で内容を確認したい場合や、ごく簡略的な図面のスキャンに限定されます。
A3またはA4サイズのフラットベッドスキャナーを使用し、図面を複数に分割してスキャンした後、画像編集ソフトで合成する方法です。
機器を既存資産で賄えるメリットはありますが、スキャン回数が多く、非常に手間と時間がかかります。また、合成時に継ぎ目で線がズレたり、歪みが発生したりするリスクが高く、CAD化の精度を確保するのが困難です。図面枚数が少ない場合の最終手段とすべきでしょう。
キンコーズなどの印刷・複写サービスを提供している店舗で、A1対応のセルフサービス大判スキャナーを利用する方法です。
大判機器を低コストで利用でき、シート状の図面であれば高品質なデータが得られます。ただし、多くのセルフ機は図面を巻き込む方式のため、製本された図面や、厚みのある原稿、劣化した図面は利用できない点に注意が必要です。対応店舗も限られるため、事前に持ち込み可能な原稿タイプを確認しましょう。
A1サイズに対応した大判スキャナーや複合機を自社で購入するか、リース・レンタルする方法です。
高品質なスキャンデータをいつでも社内で作成・管理できる点が大きなメリットです。図面が継続的かつ大量に発生する設計事務所や建設会社などに適しています。機器の導入コストや設置スペース、専門的な知識を持った運用担当者が必要になりますが、長期的な視点で見ると効率的です。
大判図面の電子化を専門とする業者に、図面のスキャン作業を一括で依頼する方法です。
図面が大量にある場合や、製本された状態の図面、あるいは古い・劣化した図面を高品質にデジタル化したい場合におすすめです。自社の作業負担はゼロになり、図面の状態に合わせた適切な機器と設定でスキャンしてくれるため、高品質で確実なデータが得られます。費用はかかりますが、CAD化の工程を大幅に効率化できます。

国土交通省のCAD製図基準に則り、連携の取りやすさ・再利用性が◎。大規模現場での設計・施工ミス対策に適切。
100枚程度を1か月ほどでトレース可能。大量発注の場合はボリュームディスカウントもあり。

現地調査をしたうえで正確なCAD化・作図・図面修正に対応。
紛失や破損により、そもそも図面がない建物でもデジタル図面を作成でき、既存の古い建造物や施設改修に適する。

平面の図面から、3Dパース・3Dモデル化への対応が可能。
3D CINEMA 4Dを使用して質感までシミュレーションでき、複雑な形状・デザインの建築物でも完成イメージがわかりやすい。
【選定基準】CADトレース代行、図面電子化とGoogleSEO検索100位で公式サイトがヒットした会社29社から選定(2024年2月10日時点)。
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